【住宅ローン減税0.7%・13年に改正後の方がお得な人

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12月7日に開かれた自民党税制調査会の会合で、ことしの年末に期限を迎える「住宅ローン減税」をめぐり、制度の大枠を固めました。

【住宅ローン減税】改正内容

 ことしの年末に期限を迎える「住宅ローン減税」を制度を、令和7年の入居分まで4年間延長したうえで、現在、年末時点のローン残高の1%としている控除率を0.7%に引き下がります

その代わりに控除が受けられる期間については、新築住宅は13年間中古住宅は10年間とすることになりました。

また、控除対象の借り入れ限度額については、再来年の入居分までは、

環境やバリアフリーなどに配慮した「認定住宅」の長期優良住宅は5000万円

一定程度、省エネに配慮している場合は、性能に応じて4500万円か4000万円

予測ではZEHの建物が4500万円の限度額と言われていますので、4000万円の限度額の方はは省エネ等級4になると思われます。

それ以外の住宅は、3000万円とする方針です。

さらに、所得の高い人を対象から外すため、所得要件を現在の3000万円から2000万円に引き下げるとしています。

自民党は、政府や公明党と詰めの調整を進めたうえで、今週決定する与党税制改正大綱にこうした内容を盛り込むことにしています。

0.7%の控除率・13年に延長でお得になる人

今回の住宅ローン減税で控除率が1%から0.7%に下がることにより、戻ってくる税金が少なくなってしまうように感じ損したような気持ちになる方が多くいらっしゃると思いますが、実際は今回の改正で得する人も多くいらっしゃります

住宅ローン減税は所得税や住民税が減税される制度ですが、結婚されていて扶養控除を受けられていたり、お子様がいらしてお子様の扶養控除も受けているため、住宅ローン減税で帰ってくる金額まで、所得税や住民税を収めていない方が多くいらっしゃるからです。

具体的な事例説明していきます。

年末の住宅ローン残高3,000万円

本来納めるべき所得税7万円

翌年の住民税16万円

の方の例で説明していきます。

現行の1%の控除の場合から計算していきます。

住宅ローン控除額は3,000万円の1%で30万円の減税ですが、納めている所得税は7万円なので30万円から7万円を引くと23万円となります。

この年の所得税は0円となります。 

所得税から控除しきれなかった23万円分は、翌年の住民税から差し引かれますが住民税からの控除額は上限が決まっており、前年の課税総所得金額の7%かつ136,500円限度までとなります。このケースでは、住民税から控除できる最大額は136,500円なので、実際に控除される金額は控除される所得税の7万円と控除される住民税13万6,500円の合計の20万6,500円となりますこの計算方式で10年間住宅ローン減税が利用できるのが現行です。

改正後に控除率0.7%の事例

これが改正され0.7%になると3000万円の0.7%は21万円となります。21万円から納めている所得税は7万円を引くと14万円となります。住民税から控除できる最大額は136,500円なので、実際に控除される金額は控除される所得税の7万円と控除される住民税136,500円の合計の206,500円となります。

このケースでは結局1%の減税で得する税金は20万6,500円で、改正されて0.7%になっても減税で得する税金は20万6,500円となります。減税される税金は改正前と改正後は変わりません

逆に10年から13年に延長されると、実際は長く税金が戻ってくる改正後の方がお得になります。

住宅ローンの借入残高は月々の支払いによって毎年少しづつ減ってきますが、先程の例ですと3年で50円近くお得になると思われます。

また0.7%に引き下げられるといっても、変動金利では0.7%以下の変動金利の住宅ローンも数多くあります。

0.7%の金利までだったら、実質金利は政府が払ってくれていることになります。0.7%より安い金利の場合、その金利の差の分だけまだまだ逆ザヤでお得です。また金利の差の部分をがん特約などを利用する方法も考えれます。仮に0.1%のガン特約の金利上乗せだとしても、一般的な生命保険のガン保険よりも安い場合も多くあると思われます。

つまり独身で妻や子供の扶養控除がなく多く税金を納めていたり、所得が高い人にとっては改正前の方が減税されますが、結婚されていたり子供を扶養しているような場合ですでに扶養控除を受けている場合は改正後の方がお得ということになります。

大半のファミリーにとっては逆に今回の改正はお得な制度です。

またサラリーマンの方は1年目は確定申告で、2年目以降は職場の年末調整で住宅ローン控除の手続きをしますが、今回の改正で住宅ローン控除の年末残高証明書の勤務先への提出を不要とする方針になりそうです。これまでは借入先の銀行が証明書を送付し、会社員が作成する申告書に添付して勤務先に提出していましたが、改正されると銀行が年末残高の情報を記載した書類を直接、税務署に送る方法になる見込みです。手続きを簡素にして納税者の利便性を高まります。

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