電気料金は毎月のように値上げの発表がされています。
今後の電気料金を予測する一つの目安として、世界の国々の中で、日本の電気料金はどのくらい高いのかをご紹介します。
なぜ国ごとに電気料金の差があるのかもご紹介することで、今後の電気料金の予測をご紹介します。
日本の電気料金は世界でもトップクラスの高さ
今回ご紹介させていただいているデータは、電気代の国際比較を行っている電力中央研究所のデータからご紹介させていただいています。その電力中央研究所の調べでは、世界の主要10か国のうち最も家庭用電気料金が高かったのはデンマークです。デンマークでは1kWhあたりの電気料金が36円~37円程度で、世界でも最も家庭用電気料金が高い部類に入ります。デンマークに次いで電気代が高いのは、ドイツ、イタリア、スペインとヨーロッパ西部の国々が続きまます。ヨーロッパの国々の次に電気料金が高いのは日本で1kWhあたりの電気料金が23円〜24円です。
世界の主要10ヵ国の中では日本の電気料金は5位ですが、小さな国まで含めるとまた様子は変わります。
小さな国まで範囲を広げて世界で比較すると、ソロモン諸島の電気料金は平均で1kWhあたり約70円にもなります。
ソロモン諸島は小さな島が900以上集まってできている国で、エネルギー資源に乏しい国です。発電のほとんどを輸入燃料によるディーゼル発電で賄っています。そのため、為替レートや燃料の高騰などによって発電コストが変動しやすく、電気料金も高く設定されています。ソロモン諸島の電気料金単価は日本の約2.5倍と高い状況ですが、日本も資源に乏しく為替に影響を受けやすいのは同じです。このデータの元になっている為替レートは1ドル=108.8円換算で計算されていますが、実際はこのところ為替レートは大きく動いています。今日も1ドル=125円を超えていましたので、実際今後の日本の電気料金はトップクラスで、家庭用電気料金が高い国になりそうです。
発電方式と電気料金
電気を作るのに資源を輸入している国は、為替レートが大きく左右しますが、それ以外でも発電方式で電気料金が変わります。
主要10か国のうち電気が高いデンマーク・ドイツ・イタリア・スペインなどヨーロッパ諸国の電気料金が高いのは発電方式が大きく影響しています。
ヨーロッパ諸国でもとりわけ電気代が高いデンマークとドイツは、どちらも再生可能エネルギー促進に力を入れています。ドイツでは2022年末までにすべての原子力発電所を停止し、脱原発を目標に掲げています。デンマークやドイツでは国が再生可能エネルギーによってつくられた電気の買い取りを積極的に行っており、さらに環境を守るための環境税も上乗せされるため電気代が高い状況です。
また、スペインやイタリアでは火力発電を主な発電方法として採用しているため、発電のための燃料の価格高騰を受けて年々電気料金も上昇しています。ヨーロッパの国々では自国のエネルギー資源が乏しく、発電のための燃料を輸入に頼らざるを得ないという状況も関係しています。逆に同じヨーロッパでもフランスは積極的に原子力発電を稼働させており、化石燃料の価格変動を受けにくいことから電気料金を安く抑えることができています。
逆に電気料金が安い国のカナダは豊富な水資源を利用して水力発電によって主に電気を賄っています。また、アメリカやイギリスでは火力発電を主軸としているものの、自国のエネルギー資源を用いて電気料金を安く抑えることができています。
日本の電気料金の今後
日本では現在、東北の福島での原発の事故後は、ほとんど原子力発電が稼働していない状況です。化石燃料に頼っている状況ですので、資源の少ない日本では為替レートレートで大きく電気料金が左右されます。
傾向としては日本の経済は世界の中でも弱く、円安傾向はしばらく続くと思われますので、今後さらに電気料金は上がる傾向と予測されます。
またウクライナ情勢で、今後ロシアからのLPGガスが輸入されなくなると、世界の中で資源の奪い合いになり電気料金が高くなる要素が更に増えています。
そのほかの要素では、日本の電気料金は再生可能エネルギーの費用に充てられている、再エネ賦課金も年々上がっているために、今後の再エネ賦課金の値上がりも注目されます。そんな背景から、東京都は、住宅メーカーなどを対象に、新築物件の屋根に太陽光パネルの設置を義務付ける新制度を創設されるニュースも出ていました。
イギリスやドイツでは近年電気料金は2倍になって家計の中の光熱費の割合が増えています。
電気は買わずに、マイホームの太陽光発電で賄うことで、電気料金を安く抑えるような時代になっていきそうです。
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