新築住宅の省エネ基準義務化は国会の会期の都合で先送りになる見通しとなっていました。しかし、一転して今国会で新築住宅の省エネ基準義務化が成立になる見通しになりました。一転した経緯と今後の予定についてご紹介します。
すべての新築建築物に2025年度から省エネ基準適合を義務付け
政府は4月22日、住宅を含むすべての新築建築物に2025年度から省エネ基準適合を義務付ける建築物省エネ法等改正案を閣議決定しました。
2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標の達成に向け、建築物の対策を強化する狙いで、今国会での成立を目指しています。
省エネ義務化については、今の夏に参院選を控えて国会の会期延長は難しく、十分な審議日程を確保できないため、政府・与党は改正案の提出について慎重に検討していました。しかし、住宅メーカーの業界団体や省エネ推進派の議員などから強い要請を受け、早期に成立させる必要があると判断となり閣議決定されました。
段階的に断熱性能を引き上げ
現行法では、延べ床面積300平方メートル以上の建築物について、空調や照明によるエネルギー消費量などに関する省エネ基準を満たすよう義務付けていますが、住宅は対象外でした。政府が目指す50年の温室効果ガス排出実質ゼロに向け、住宅も25年度から義務付けの対象に加えるかたちとなります。
さらに基準自体の強化も目指すとされ、2030年度以降に新築される住宅は、現行基準からエネルギー消費量を2割削減したレベルに引き上げる予定です。ビルなどの新築建築物も、用途別に現行から3割または4割の削減を義務付ける目標です。
省エネ性能の強化には断熱性の高い資材や高効率の空調機器などが必要にり、価格に反映される可能性もあるため、国土交通省、経済産業省、環境省の3省は施工業者や消費者に対する支援策を充実させるとしています。
具体的な性能はまだわからず
住宅の省エネ基準の時合義務は、過去に何度も先送りになっています。現在は住宅の場合、省エネ基準に適合しているのか、適合していないのかの説明の義務だけになっています。
説明義務から一歩踏み込んで、新築住宅にもようやく一定の省エネ性能が義務付けられます。
まだ具体的に義務付ける省エネ基準が明らかにはなっていませんが、おそらく現在の制度の省エネ等級の最高等級の省エネ等級4と思われます。
実は省エネ等級4はそれほど難しい省エネ基準ではなく、欧米に比べるとまだまだ性能の低い基準です。
具体的にどのような性能が住宅に求められているのかが分かりご紹介していきます。
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