関東大震災から100年【首都直下型地震】富士山噴火との関係

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今年2023年9月1日は関東大震災からちょうど100年経過します。

関東大震災は1923年9月1日11時58分頃、神奈川県西部から相模湾にかけてを震源とするマグニチュード7.9の地震で、死者・行方不明者は10万人以上、全壊家屋10万棟以上で、建物の倒壊に加え、地震が発生したのが昼食時だったことから大規模な火災も発生し被害が拡大した地震でした。

2023年5月に入って地震が多く、5月8日~14日の1週間は震度3以上の地震は北海道から沖縄まで13回発生し、マグニチュード5以上の地震は5回発生しています。

日本各地で地震が多発すると大きな地震の前触れではないかと心配しますが、マグニチュード5以上の地震はそれぞれの震源地から100km離れているので、一般的には関連性はないと言われていますが、全く関連性がないことを証明することは実際はできません。そこで今回はちょうど100年経過しそうな関東での地震について深掘りします。

南関東での地震の周期

過去に起きた巨大地震の記録は大体400年くらい前から信頼できる歴史的文書に記録が残っています。

一つの地域に起きた大地震の間隔を計算すると、ばらつきはありますが数百年に1回や数十年に1回の割合で大地震が起きていることが分かります。一番最近に起きた大地震の年数平均的な地震間隔年数を足した年に大地震が再来すると言うのが周期説が一般的で、様々な観点から推定、推量、憶測などを加えて大地震が来る確立が発表されています。

首都直下型地震はかって69年説

関東の地震の周期で有名だったのは首都直下地震69年説でした。

「1923年に起きた関東大震災から69年±13年後に東京に大地震が起きる」と当時の東京大学地震研究所の所長だった川角廣教授が唱えて、長い間マスコミに取り上げられていました。

首都直下型地震69年説は起こらなかった

関東大震災の起きた1923年に69年を足すと1992年です。1992年には川角教授は亡くなっていましたから本人の責任は問われませんでしたが地震は起きませんでした。さらに13年を加えた2005年にも大地震は起きませんでした関東大震災69年周期説は否定されています

元東京大学・河角教授は、神奈川県鎌倉市で9世紀以降に検知した震度5以上の地震年表をつくり、確率論の手法を使って69±13年の周期性があるとしたものの、南関東で周期的に発生する地震は2種類ありこの2つを混同したのが原因関東大震災69年周期説が否定されました

南関東で起きた大地震の周期

南関東で起きた大地震

  • 1293年 永仁関東地震
  • 1498年 明応関東地震
  • 1703年 元禄関東地震
  • 1923年 関東大震災

歴史的文章によると南関東で起きた大地震は約200年の周期で大きな地震が発生しています。直近の1923年の関東大震災は今年でちょうど100年ですので、200年周期だとすれば次は2133年ごろということになります。この周期が正しいとすれば次の大地震は100年先ですので死んでいるので気にする必要はありません。

過去の歴史で関東の大地震が約200年の周期だからと言って首都直下型地震が起きないという安心できません。南関東で周期的に発生する地震は2種類のうち1つの70~80年に1回発生するマグニチュード7クラスのプレート内地震が関東大震災以来発生していないからです。2023年時点でもうすぐ100年経過する現在でもM7クラスの地震は首都圏で起きていません。周期説云々より、今ではマグニチュード7クラスの地震がいつ起きてもおかしくないと考えるのが自然です。

南関東の地震の2種類

南関東で周期的に発生する2種類の地震

  • 約70~80年に1回発生するマグニチュード7クラスのプレート内地震
  • 約200年に1回発生するマグニチュード8クラスのプレート間地震

プレート内地震とは

海側のプレートや陸側のプレートのプレートのぶつかり合いで生まれた力(歪み)は、プレー ト境界から離れた陸のプレートの内部、つまり日本列島本体にも働き、歪みが蓄積して、限界に達した時、岩盤を破壊して地震です。阪神・淡路大震災や熊本地震が代表的なプレート内地震で、南関東ではマグニチュード7クラスの70~80年に1回の周期となっています。

プレート間地震

海洋側のプレートの沈み込みに伴って陸側のプレートの端が引きずり込まれ、やがてそれが限界に達したときに陸側のプレートが跳ね上がるという断層運動により発生する地震です。

関東大震災の震源地は不明

関東大震災は相模トラフを挟んで北米プレートフィリピン海プレートの間のプレート間地震とされていますが、関東大震災の震源域は諸説あり内陸地震説もあります

震源域は一か所に特定されていません。約10人の地震学者がそれぞれ震源域を推定していますが、大体次の4地域に絞られています。

関東大震災の4つの震源地説

  • 相模湾の中央部
  • 相模湾の北部
  • 山梨県河口湖東部
  • 神奈川県西部

のうちのどれかと言われていますが、

相模湾の中央部相模湾の北部が震源域のだった場合プレート間地震

山梨県河口湖東部神奈川県西部が震源域の場合プレート内地震

だったと言えます。

富士山の噴火と南関東の地震

もう一つ気になるのが富士山の噴火で、歴史時代にあった10回の富士山の噴火の中で、詳しい記録が残っているものは江戸時代に起きた宝永噴火だけでが、富士山の宝永噴火には群発地震などの明確な前兆があったことが、複数の記録から確かめられます。

富士山の噴火と地震

  • 1703年12月31日 元禄関東地震
  • 4年後の1707年10月28日 宝永東海南海地震
  • 49日後の1707年12月16日 富士山宝永噴火

1703年12月31日に元禄関東地震が発生し、約4年後の1707年10月28日に、宝永東海・南海地震が発生しました。その49日後に富士山が噴火しています。もし今後首都直下型地震・東南海地震・富士山噴火が数年の間に発生したら日本は大変なダメージになってしまいます。

元々は関東は不毛の地

そもそも東京の歴史からしても徳川家康以前の江戸は干潟と台地の間の、訪れる人もいない不毛の地で、東京湾は今よりも奥まで入り込んだ地形を、沖合に向かって拡大し続けてきました。 特に、高度成長期には大規模な埋立が実施され、港は拡張し、大きく変貌しています。

首都直下型地震の経済的影響

もし首都直下型地震がマグニチュード7.3だった場合の最悪ケースの場合は経済活動への影響47兆9000億円と今年予測が改定されています。2023年の日本の国家予算は114兆3812億円で既にこの財源を賄うために新たに発行する国債は35兆円を超えていて、財源の3割以上を国債に頼る厳しい財政状況の中、もし首都直下型地震で経済活動への影響が47兆9000億円となってしまったら日本は1923年の関東大震災の時よりもダメージを受けそうです。

関東大震災から100年を迎えることから首都直下型地震を深掘りしましたが結論は地震は誰にも予測できず、マグニチュード7クラスの地震はいつ起きてもおかしくないと考えて準備できることは準備しておくに越したことはないと思われます。

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