【女川原発再稼働】住民が危険を立証しない限り再稼働

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宮城県にある東北電力・女川原子力発電所2号機について、重大な事故が起きた場合に備えて自治体が作成した避難計画は不備があるとして周辺の住民運転の差し止めを求めた裁判で、仙台地方裁判所避難計画に実効性がないという主張だけでは運転の差し止めを求めることはできないという判断を示し、住民側の訴えを退けました。裁判官の判決内容から感じた原子力発電の問題の難しさをご紹介します。

裁判内容

2024年2月に再稼働が計画されている東北電力・女川原発2号機について、周辺の宮城県石巻市の住民17人は重大な事故が起きた場合に備えて市が作成し、県が関与する避難計画は不備があり、実効性がないと主張して運転の差し止めを求める訴えを仙台地方裁判所に起こしていました。この裁判では住民である原告側が「避難計画の不備」に焦点を絞って運転差し止めを求めていました

2023年5月24日の判決で仙台地方裁判所の齊藤裁判長は、原告側は放射性物質が異常に放出される事故が発生する具体的な危険があることについて主張や立証をしておらず、事故が起きる危険性を前提とすることはできないとし、そのうえで避難計画に不備があるという主張だけでは裁判で原発の運転の差し止めを求めることはできないという判断を示し、住民側の訴えを退けました。

素人の住民が原発の危険性を立証できるのか?

素人である住民が事故が発生する具体的な危険があることについて主張や立証することはできるのか?と思いました。この裁判の判決を聞いて手術を失敗したときの医療事故の裁判に似ていると感じました。また科学技術の専門家でない裁判官が裁けるのか?ということも感じます。

今回は危険があることについて主張や立証を住民が行っていないので、危険かもしれないというだけでは原子力発電の運転を差し止めることはできないということでした。

もう少しシンプルに事故に対する予防と計画の実行という観点で考えると本当にそのような考え方で良いのか?というふうに感じました。最近ですと、新型コロナワクチンの接種はワクチンに対する安全性に対して、十分な検証がされないまま、感染拡大が最優先でワクチン接種の計画の実行が優先されました。普通の薬であれば安全性の検証に年月がかかるところ、異例の速さで接種が決まりました。ワクチンの接種に対して、年齢や体質や他の病気との関連などは十分に検討されたのか疑問がありますが、感染拡大が優先されて国からもワクチン接種を推奨していました。私の知り合いでも数人ワクチンの接種を拒み続けた人がいますが、原子力発電所の再稼働は、住民は原子力発電の再稼働を拒んでも再稼働されることになります。コロナウイルスのワクチンを接種するかどうかは自己責任ですが、原子力発電の近くに住むかどうかも結局は自己責任ということになってしまいます。避難計画が不十分だとしても、危険があることについて主張や立証しない限り原子力発電は再稼働されます。

原子力発電は今でも問題を起こしている

裁判所としては住民に原子力発電の再稼働に対して具体的な危険があることについて主張や立証しない限り再稼働を認めるというのであれば、実際に福島第一原発で事故が起こったり、さまざまのところで原子力発電の点検の不正問題などが起こっていることを考えると、人間の行動は完全でなく、自然は時として過去の事例を超えて事故を起こしたり、想定を超える事故が起きることも考えれます。せめても避難計画を完全にすべきではないかとどうしても感じてしまいます。元に女川原子力発電所でも昨年12月に女川原発2号機のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の審査資料に写真の貼付ミスなど再稼働に関する資料に9件のミスがあった問題や、2021年10月に同僚のIDカードを使い身分証明が必要となる区域を通過した問題も起こしています。建築現場では大きな事故は些細なミスからつながってしまいますが、原子力発電でも同様ではないかと感じてしまいます。

 

 

避難の対象となる住人は約20万人で、このうち7割が石巻市の住人です。
原発から5キロから30キロ圏内に含まれる原さんは、屋内退避した後、車で80キロほど離れた柴田町に避難することになっています。原さんが避難に使う県道は、片側1車線で普段でも交通量が多い道路です。
原伸雄原告団長は「一刻も早く遠くに逃げたいというのが(避難者の)心理だからね。国や電力の説明のように渋滞は発生しないという言い分は成り立たないなと思いますよね」との現実との乖離を指摘しています。

更に懸念されるのが、震災や台風など過去の災害で発生したように、道路が寸断した場合に避難ができるのかという問題もあります。原伸雄原告団長「避難と言ったって道路が寸断される中では、とてもじゃないけど一時集合場所に集まれだの検査場所にいけだの言われたってスムーズにはいかない」と語っています。

屋内避難を求める住人に対しては、車に放射性物質が付いていないか検査する退域検査ポイントを設けます。原伸雄原告団長は、約15キロ離れた美里町の南郷体育館で放射性物質の検査を受けます。しかし、原伸雄原告団長は「検査場所の入り口としてもここ1カ所しかないんだよね。ここ1カ所しかない。だからこっちに来る車もある、向こうからも来る車もあるにしてもここで詰まってしまうからね」と問題を指摘しています。車の出入り口は1カ所のみで、1台にかかる時間は約3分ほど。仮に検査の人員や機材が不足すれば、避難所に向かう前に足止めされていまいます。原告団が県に情報公開した資料によると、検査場所は「数日後に開設される」とされていますが、宮城県や東北電力の職員が検査場所に到着する日数について回答を求めると、県は「日数を調査したことはない」「東北電力が調査したかも把握していない」と回答しています。
原伸雄原告団長は「改善修正では到底対応できない。根本からこの計画を立ち止まって見直す必要があると」と語っています。

被告の東北電力は、避難計画については「国に了承され、合理性が認められている」「放射性物質が放出される事故が起きる危険性を住民側が立証できていない」として、避難計画の判断にかかわらず棄却するよう求めています。安全より再稼働が重視していると言えます。

避難計画について宮城県も消極的?

宮城県は女川原発で使用する核燃料の価格に応じ、「核燃料税」を東北電力に課税していて、今年度はおよそ1億8000万円を徴収し、原発が立地する女川町と石巻市に、1割のおよそ1800万円ずつ交付しています。この交付金について、東松島市や登米市など原発から30キロ圏内の5つの市と町にも交付金を交付対象を拡大するように、去年12月に東松島市などが宮城県に要望していました。東松島市の市長避難訓練等、市民の皆さんに協力を求めて進めているが、それらについても一定の経費がかかる」と交付金の対象拡大を要望したことに対し県の担当者は、県の財政需要は大きく、税収は限られている」などとして、交付の対象は拡大しない考えを示しています。

来年2月に原子力発電の再稼働が計画されていることに対して、仙台地方裁判所は避難計画に実効性がないという主張だけでは運転の差し止めを求めることはできないという判断を示し、運転の差し止めを求めた原告団の団長が取材に応じ、「避難計画を是正する必要があるということくらいは、裁判所に期待していたが、それすら認められなかった。福島の悲劇を繰り返さないため、司法に期待していただけに非常に残念だ。これで諦めるわけにはいかず、原発の具体的な危険性を立証することを含め、引き続き皆さんと力を合わせてやっていきたい」と話していました。放射性物質が異常に放出される事故が発生する具体的な危険があることについて立証は素人では素人には難しいのと思われます。

安全であれば都市部に原子力発電所が計画されるはず

事故を起こす可能性がないのであれば、原子力発電所の建設は多くの電気を使用する都市部に建設するのが送電する際のロスが少なく、資源を有効活用できるはずですが、原子力発電所は人口が少ないところで建築されます。仙台市内に火力発電所はあるけど原子力発電所はありません東京湾にも複数の火力発電所はありますが原子力発電所はありません大手電力会社としも都市部に原子力発電所がないのは完璧な安全対策が難しいことをわかっているのではないかと勘繰ってしまします。

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