料金が高い【プロパンガス】深い闇

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コロナウイルスから始まった世界的なインフレで、低金利を続ける日本は海外との金利差で円安になり、輸入価格が高くなった上にウクライナ情勢でエネルギー価格が高騰しています。

電気も値上がりしていますが、ガスも値上がりしています。

特に電気都市ガス政府の負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施していているので今は少し軽減されていますが、プロパンガス補助の対象外です。

そもそもプロパンガスは都市ガスに比べて価格設定が高くなっている上に、エネルギー価格高騰を受け、さらにプロパンガスを利用している人には国の補助がなく、モロに値上がりを感じてらっしゃると思います。ただでさえ仕組み上プロパンガスはそもそも値段が高い上に、実はプロパンガス利用者は、都市ガス利用者よりも2~4倍も高い料金でぼったくられているケースが少なくないが現状です。そこで今回はそのようなプロパンガスの闇をご紹介します。

プロパンガスの利用者は約5割

実は日本全国で使われる家庭用ガスのうち、プロパンガス利用者の比率は実に約5割を占めています。

都市ガス事業者は全国に約200社程度であるのに対して、プロパンガス事業者は全国に約1万8,000社もあります。

そんなにプロパンガスを利用しているにもかかわらず、プロパンガスには深い闇があり、競争原理が正しく働かず閉鎖的な価格設定て高値が続いています。

プロパンガスのメリット

プロパンガスは火力が強い

都市ガスに比べて発熱量が強く、プロパンガス都市ガス2倍強の火力があり料理に向いています

そのため、中華料理店、てんぷら専門店、ラーメン店など火力が強ければ強いほど手早く大量に料理ができるので飲食店ではプロパンガスが使われることが多いのが現状です。

プロパンガスは災害に強い

東日本大震災での電気・都市ガス・プロパンガスの中で最も早く復旧しています。電気や都市ガスに比べて確認作業が広範囲ではなく、かつプロパン事業者は地域に根ざして多いのが復旧に強い理由となっています。

しかしメリットのあるプロパンガスの大きなデメリットは料金です。そこには悪しき習慣が長年続いている深い闇があるのが現状です。

深い闇1 縄張り

それぞれの供給エリアごとに「縄張りを設けて、お互いの販売エリアを尊重し、営業をかけないことで営業員を多くく雇う必要がなく、価格設定も自由にでき、競争原理が働かないのでどうしてもプロパンガスの料金は高くなってしまします。

平成9年の「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」の改正で販売自由化により新規事業者による過激な価格競争が行われましたが、新規の契約は最初は「見せかけの安い価格設定」で提供しても、数ヶ月先には料金改定され高い金額になってしまうことが起きたり、目立った新規事業者は結局は元の地域で供給している事業者から安い価格で提案され、縄張りが保たれることもよくあります。

自由化されたとはいえ地方に行けば行くほど縄張りが強いのが現状です。

深い闇2 ブローカー

インターネットで安いガス料金を謳った契約変更を狙った業者も出てきています。

このような業者は「ブローカー」が多い。

◼️特定のガス業者からの委託してるブローカー

◼️ガス販売店に対して顧客情報を売り込んでいるブローカー

ブローカーにも多額な報酬が支払われているために、本当に低価格なのかは疑った方が良いこことあって、本当の意味での価格保証はされておらず、特に昨今のエネルギー価格高騰は途中から価格改定された金額が正しいのか検証しようがないのが現状です。

深い闇3 料金上乗せ

プロパンガスの闇で最も深い闇は、アパートやマンションのガス料金です。

ほとんどのアパート・マンションでは供給するプロパンガス業者が決められています

入居者は自由化されているにも関わらず変更できません。

それはプロパン業者の選択権は現在の法的には物件のオーナー側に委ねられているためです。

プロパン業者とすれば物件のオーナーを押さえておけば高いプロパン料金継続的にとり続けることが可能ということになります。

プロパン業者物件のオーナーに対して気に入ってもらうために配管費用給湯器などを無償提供するのが一般的です。

ひどい場合はオーナー側からの要望が更にエスカレートしてガスに関係の無いエアコンやユニットバスや宅配ボックスなどの費用もプロパンガス業者が無償提供する場合があります。

オーナーとしては工事費用を下げれるメリットがあります。

無償提供された工事費や設備の費用は、入居者から少しづつ回収するために物件のオーナーからするとデメリットはありません。

入居者からするとプロパンの供給会社を変更できず高い料金を払わざるをえない状況になってしまいます。

プロパンガス都市ガスに比べてひどい場合だと4倍近くガス料金が高いのはそのせいです。

アパートやマンションを借りたり購入するときや、家賃や分譲価格を気にして物件選びする方はいらしても、ガス料金まで調べる人が少ないのも現状です。

であれば都市ガスのアパートやマンションを選ぶと光熱費を削減できると考えますが、都市ガスの供給エリアでも意外とプロパンが採用されている物件が多く、極端に物件の選択肢が少なくなることもあります。それは物件のオーナーからしたら都市ガスエリアでも都市ガスだと配管工事から設備まで建築費が高くなるのでプロパンガスを採用するオーナーが多数存在するからです。

また新築戸建住宅でも給湯器はプロパンガスの業者が負担する商慣習になっていることが多く、更に住宅会社によってはコンロや床暖房も無償でプロパンガス業者が無償提供し、プロパンガスの料金に上乗せされていることも多くあります。そもそもガス料金の設定自体が不透明で住宅会社も実態を把握していない場合が多いと思われます。

法改正の流れ

プロパンガスの深い闇は長い間続いていましたが、ついに法改正の流れとなっています。

給湯器などの設置費用を料金に上乗せして利用者に請求する不透明な商慣行を議論する経済産業省の有識者会議が2023年3月に約7年ぶりに再開され、今年の夏をめどに報告書を取りまとめ、制度改正を目指す流れです。

都市ガスに比べ、プロパンガス業者は中小零細業者が多く、ホームページを持たず、料金の内訳を明示していない業者が目立つ点も問題視されています。

一方、プロパンガス業者からは「一番利益を得ているのは不動産会社やオーナーだ。不動産業界への適切な対応が必要」などと、不動産業界を所管する国土交通省に対策を求める声も上がっています。

有識者会議では、設備費とガス料金を切り分ける方向で議論が進んでいます。

実効性確保のため、罰則規定を要望する声も出ている状況です。

長年に渡りプロパンガスの闇が解決すれば大きく光熱費が下がると思います。

携帯電話は菅総理大臣の時に大きく毎月の負担が下がりましたが、プロパンガスについては今後政治がどの程度解決するのか注目されます。

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