今まで500棟を超える住宅のお手伝いをさせていただき、資金計画の次に重要な「間取り」について、つくづく感じるのは「間取りは料理に似ている」なぁと思うことです。
建築士のようなその道のプロが間取りを作成することも可能ですし、住宅を実施に建てる一般の方が間取りを作成することも当然できます。
料理もプロの料理人が食事を作りこともできますし、一般の方が料理することも可能です。
プロが作成した間取りと一般の人が作成した間取りのどちらも良さはありますし、プロが作った料理と一般の方が作った料理のどちらも良さがあります。
そこで今回は間取りと料理の共通点を深掘りしながら、更に間取りを最終決定する際の注意点をご紹介します。
一般の人の料理や間取りは想いを感じる
一般の人が作る料理は、家族のために作ったり、仲間のために作ったり、自分のために料理を作ることが多いと思いますが、家族だったり、仲間だったり、自分のために作るということは、食べる人とすごく近い人間関係で作る料理なので、身近な人や自分など食べる人のイメージがリアルで料理を作ることができます。
食べて欲しい人や自分が食べたい物が料理に反映します。
相手を思ってこだわって料理をしたり、手間暇かけずに手際よく料理することもあると思います。
間取りも同様に一般の方はイメージをお持ちで住みたい間取りをイメージしてご自身で間取りを作成したり、間取りの作成まではしなくても建てたい間取りのイメージを住宅会社の人に伝えていると思います。
男性が特に多いのですがご自身で間取りを作って打ち合わせに来られる方は結構いらっしゃいます。
住宅を建てる人からして間取りは自分ごとですので、想いの詰まった間取りを作成されています。一般の方の料理も、一般の方が作った間取りも想いを感じます。
それはこだわった料理は当然ですが、主婦の方の毎日の料理でも、手間暇かけず作った料理でもそこには料理に想いを感じます。
お客様が作った間取りや、お客様が建てたい間取りのイメージを伝えてくださった時もすごく想いを感じます。
料理も間取りも想いは強く感じますが、毎日何らか食べている食事と違って、あまり何回も建てる経験の少ない間取りは、料理と違って間取りの方がどうしても完成度が低くなってしまいます。
一般の人とプロとの違い
料理の場合は、料理をせずにデリバリーや外食で済ます場合もあると思います。
食べたいジャンルのお店を決めてデリバリーを頼んだり外食していると思いますが、その際は一定のクオリティーを求めてデリバリーを頼んだり外食されていると思います。
間取りもイメージに近い住宅会社に相談に行かれていると思います。
デリバリーや外食もイメージに近いお店をある程度リサーチされている中でチョイスしたり、現在地から近いお店を選んだりしていると思います。
料理をせずにデリバリーや外食したりする時は、一定のイメージができているので、ハズレを引く可能性は低いですが、それでもサービスや味に不満が出ることもあるがたまにあると思います。
イメージに近い住宅会社で作ってもらった間取りは、外食などに比べてお客様のイメージと違う可能性は高いのが料理と違うところです。
料理と比べて間取りはお客様が業者に伝える量が多いからです。
かつ料理はフランチャイズですと味のブレが少なかったり、フランチャイズ以外でも過去に食べたものとのイメージがしっかりありますが、間取りは家族条件や敷地条件やお客様の暮らし方や好みが千差万別なのと、間取りを作成する住宅会社の担当の力量で出来栄えが大きく変わってしまうためです。
間取りは作成する力量次第
フランチャイズの料理が一定水準の味を提供するのと同様に、住宅会社であらかじめ用意されている規格住宅の間取りは一定水準の当たり障りのない間取りでできています。
しかしフランチャイズの料理と規格住宅の間取りの違いは規格住宅の間取りの方がお客様の最適解から離れている可能性があります。
どうしても敷地条件や暮らし方などで無理があることがあります。
建売住宅や分譲マンションなどで敷地条件や空間構成で多くの家族で最適ではないにしろ、出来上がっている間取りに合わせて生活することはできると思います。
しかし深く掘り下げると多くの人の最適解よりお客様のパーソナライズに合わせた間取りの方がより良いと思います。
注文住宅だとしてもハウスメーカーやローコストの住宅会社では営業が間取りを作成していることが多く、建築士でないと間取りの作成ができないわけではないですが、営業の経験の中で間取りの出来栄えが変わってきます。
ローコスト住宅はほぼ営業が間取りを作成していますが、ハウスメーカーや工務店などで建築士が作成する場合がありますが、建築士といってもプランニング能力の力量はまりまちです。料理人にしても力量によって違いはあると思います。
優秀な人との出会いが重要
料理人と建築士の共通点として、数や経験で力量が変わったり、その人の思想によって出来栄えが変わってきます。
料理人も建築士も割合として男性が多いのも共通点です。
それは男性が優れているということではなく、私の知り合いで男性的なダイナミックなプランニングする女性の建築士がいたり、タッチが繊細で使い勝手もきめ細かく配慮されたプランニングを得意とする男性の建築士も知り合いにいます。
料理人と同じかもしれませんが、建築士も経験を積み重ねると、オールマイティにこなすことはできますが、ある程度得意なジャンルやデザインなどの作風になっていきます。
好きなジャンルに対しての興味が湧いて詳しくなってきたり、お客様からも過去の建築事例から似たような作風のデザインのオーダーをされることがあるので、段々得意なジャンルやデザインの作風が多くなってきます。
また料理人も建築士も同じだと思いますが、過去の経験から違うアプローチで提案させていただいた提案だったり、お客様が想像していなかった提案が結果的に喜んでいただ供養なことになったりします。
またお客様の想いが詰まった間取りを見せていただ開いた際も、そのコンセプトは大切にしながらプランニングするにせよ、改善することで良さが引き立つアプローチや、付け加えやり減らしたりすることで更にお客様が大切にしている思いを引き立たせることが可能です。
規格住宅などで十分満足される方もいらっしゃると思いますが、注文住宅の場合はプロの力量をうまく引き出すと結果的に喜んでいただけることはよくあります。
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