思ったより価格が高くなっている【住宅価格の値上げ】カラクリ

資金計画

建材の値上げするとニュース報道より、エンドユーザーのお客様は実際はもっと値上げになってしまいます。なぜ実際は思ったよりを値上げになるのか理由を解説します。

2022年出荷分からのYKK APの値上げ

YKK APは11月30日に住宅用商品・エクステリア商品・ビル用商品などの一部商品について、1月発注分から順次値上げすると発表しました。

値上げ幅は約8%~15%です。消費者にとっては消費税や住宅会社の利益幅を含めると1割以上の結構な値上げになります。

住宅用商品は2022年1月1日発注分から約10~12%の値上げになり、エクステリア商品とビル用商品は2022年4月1日発注分から、エクステリア商品は約8%、ビル用商品は8%~10%、金属外装材は2022年2月1日発注分から約15%の値上げになります。

YKK APは今回の価格改定の背景について、資材の原材料価格上昇に加え、燃料費・物流費も高止まりしている中、生産合理化、設備改良、経費削減などによるコスト低減を進めたものの、自社の努力では吸収が難しい状況になったとしています。

すでに商品が決定しているものは年内に発注をした方がいいと思います。

また現在検討されている方も早めに判断し発注された方がいいと思います。

YKK APの値上げに伴い同業のLIXILも今後値上げされる可能せが高いと思われます。

ニュース報道より、お客様価格が高くなるカラクリ

建材の仕入れた値上げがニュース報道より、お客様の方が更に値上げになるのかを解説します。

例えば定価1万円の建材が仕入れの仕切りで、仮に50%のネット価格で仕入れれるとします。つまり定価1万円の建材を5千円で仕入れたということになります。

定価1万円の建材を5千円で仕入れた場合ですが、そこから住宅会社の利益をその建材に乗せていきます。

仮に住宅会社の利益を30%とした場合だと、5,000円÷0.7となりお客様への販売価格は7,142円となります。

そこに消費税10%をかけると7,856円となり7,856円がお客様への販売価格になります。

次に建材が10%値上げした場合の売価を見ていきます。

定価1万円のものが10%値上げになると11,000円となり、仕入れの仕切りが50%ですと仕入れた商品が5,500円になり、住宅会社の利益30%を乗せると5,500円÷0.7で7,857円になります。そこに消費税10%をプラスすると8,642円となります。

仕入れの値上げ前のお客様への販売価格が7332円だったのに対し値上げ後は8,642円になると、1,310円の値上げということになります。定価1万円のものが10%の値上げで11,000円の値上げになると定価の1,000円の値上げでなく売値では1,310円の値上げになるということです。

商品を仕入れる時の仕入れの仕切りのパーセントは住宅会社の年間の取引量や会社の資本力で変わってきます。

年間多く仕入れている方が安く仕入れることができますし、会社の経営状況が安定している住宅会社の方が販売してもきちんと支払ってくれるので安く強い入れることができます。それは会社の経営状態が悪いと商品をおろしても資金回収できない可能性もありどうしても仕切り値が高くなってしまいます。仮に30%の利益率を例にしましたが私の勤めている住宅会社はそれよりかなり安い利益率でお客様に提示しています。守秘義務で具体的にお伝えできませんが住宅会社ごと利益率の差も大きいのが現状です。

同じ商品でも住宅会社に入る仕入れ値と住宅会社の利益率で販売価格は変わってきます。仕入れの仕切りや住宅会社の利益率は、あくまでも仮定のパーセンテージで計算しましたのでケースバイケースで違ってきますが、10%の値上げのニュースですがお客様への販売価格は10%以上の値上げになる可能性があるということです。住宅会社の利益率が高い会社ほど値上げになります。

価格がこれからも上がっていく見通し

少し前の私の過去の動画「2021年12月【住宅ローン金利動向】今後の金利のトレンドは?」という動画の中でご紹介しましたが住宅ローンの金利もついに上昇の兆しが見え始め世界的にみるとインフレになってきていて、このところの原油高が大きな引き金になりものの値段はこれからも上がっていきそうです。

住宅はたくさんのものを仕入れて形にするので、仕入れの値段がいろんな部材で上がってくるとこれからも全体的に住宅価格は上がっていくと思われます。

世界のインフレに引っ張られて住宅の価格や住宅ローンの金利は2022年は上がりそうです。

最初にYKK APの値上げをご紹介した時にいつからの仕入れが上がりますとお知らせしましたが、これからはお客様に安易に値段を提示するのが難しくなります。

お客様がいつ決断されて、いつご契約いただき、いつ工事を始めることができ、いつ仕入れるのかで販売価格が大きく変わる可能性があります。

いつ住宅ローンを契約するのかで月々の支払いが変わるためよくよく計画時期を聞いてから出ないと金額の提示がなかなか難しいような価格が大きく動いている経済状態になっていると思います。

お客様を煽っているわけではないのですが早く計画できるのであれば早く計画された方が価格面では計画しやすいのではないかと思います。

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