一般的に平家は価格が高いと言われています。
ただ私自身はこの1年間お手伝いさせていただいた建物の7割が平家です。平家と2階建ての両方ご提案させていただくこともありますが、平家で決まることが多いです。
見積もりをしてみると意外と平家の価格がそろほど高くなかった理由をご紹介します。
一般的に平家が高い理由
一般的に平家が高いと言われている理由は、同じ面積だったら基礎と屋根が2倍必要だからです。
箱を使って説明しますと、二つの箱を並べておいた場合の建物を平家だとして、上から見た面積と、二つの箱を上下に重ねて二階建てだと見立てて、上から見た面積を比べると、地面に対して二階建ては平家の半分の基礎や屋根の半分になります。もう一回重ねずに並べると、基礎や屋根の大きさは2倍になります。
二つの箱を並べた床面積と、重ねた床面積では床面積は同じですが。並べた方が平家の方が基礎や屋根が2倍に大きくなるので基礎のコンクリートや瓦の枚数などが2倍になり、同じ面積なら二階建ての方が材料が少ないので安く、材料の多い平家は高いということになります。
基礎や屋根は少ないのに3階建ては価格が高い
基礎や屋根が大きいと言う理論で言うと、3階建ては更に安いと言うことになりますが、実際は3階建ては高くなってしまうことが多いです。材料だけの理論ではないところが、3階建てが高い理由があります。3階建は見るからに平家と比べるとひょろっと縦長に建っているため、倒壊しないようにしっかりとした構造が必要です。
基本的に木造だと2階建までは構造計算が不要ですが、3階建ては構造計算が必須です。一般的に同じ面積だと3階建ては二階建てより価格が高くなることが多いです。
またこの構造的な階数によっての違いについては別の動画で解説しようと思っています。
平家と二階建てが同じくらいの価格だった事例



この間取りは土地から提案させていただいた事例で、二階建てと平家の両方検討した事例です。
二階建てだと敷地に余裕がありますが、平家の場合はどうしても敷地を大きく使います。それでも平家でも自動車が3台置けるようにしました。
2階建は1階に和室がある4LDKで、平家も和室がある4LDKで基本的な部屋の数は同じです。
違うのは当たり前ですが平家には階段とバルコニーがなく、トイレと洗面化粧台が一箇所と言うところです。二階建ては2階にトイレと洗面化粧台を設けています。
あと二階建ては階数でゾーンわけされています。平家の場合は南北でゾーン分けしました。
実際の建物が建つと平家の方が実際の基礎や屋根が大きいので、建物が大きく見える可能性があると思います。
実は見積もりを作成してみると、ほとんどこの二つの金額は同じくらいになりました。平家の方が約10万円高くなりました。全体の金額からすると誤差に近い金額の差でした。
延べ床面積は階段やバルコニーや二階のトイレや2階の洗面化粧台のスペースがない分二階建ての方が面積は小さくなっています。あと実際の現場では平家の方が足場やものを運ぶときに施工性がいいと言えます。
平家はコンパクトな間取りが可能
プランニング上では二階建てだと階段スペースやそれぞれの階の廊下や水回りが必要だったりしますが、平家だとそのスペースをコンパクトにすることができたり、そもそもバルコニーも平家だと不要で、面積が小くることができます。
逆に平家でも廊下をふんだんにとったり、水回りを複数設置すると高くなる時があります。
またその逆で、最近の小家族で採用される、リビングから各個室にアクセスする平家は極端にホールがないので圧倒的に二階建てより平家が安くなる時があります。

平家の方が2階建てより価格が安くなった事例
全ての部屋をリビングからアクセスする個室にしなくても、ホールを効率的に配置すれば平家の方が安くなる時もあります。


こちらの事例は平家部分が大きく2部屋だけ二階建てがある間取りです。こうなるとほとんど平家の要素に近い基礎や屋根の大きさす。
同じ部屋の大きさで平家にすると、階段や二階のホールがない分平家の方が小さくなります。平家でもトイレを二箇所設置していますが、このケースだと見積もりを作成すると平家の方が100万円やすくなりました。
坪数が平家の方が小さいのと、階段そのものの金額が30万円弱くらいするので、平家の方が価格が安くなりました。
平家と2階建てのメリット・デメリットを検討
住宅会社によって積算の方法が違うと思いますが、合理的に作れば平家の方が価格が安くなる場合があるので、プランニング段階で平家と二階建てを迷われているときは、価格面も比較しながら検討してみてください。
また私の過去の動画で、平家のメリットデメリットも解説してます。
どうしても平家をお勧めしないケースもありますので、そちらの動画もよかったら参考にしてください。
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