過去の歴史では
- 1703年12月31日 元禄関東地震
- 1707年10月28日 宝永東海・南海地震
- 1707年12月16日 富士山が宝永噴火
4年間の間に南関東の地震と南海トラフ地震と富士山の噴火が歴史では起きてます!
南海トラフ地震の周期説と富士山の噴火の関係について深掘りします。
南海トラフ地震の定義
南海トラフ地震とは
駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として、
概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた
大規模地震と定義しています。
大きく3つの地震の総称
- 南海地震 宮崎県東部沖合の海域から和歌山県紀伊半島の南部の海域が震源地の地震
- 東南海地震 和歌山県熊野灘から愛知県東部沖合の海域が震源地の地震
- 東海地震 静岡県駿河湾沖が震源地の地震
南海トラフとは
日向灘から紀伊半島の南側の海域熊野灘、遠州灘および駿河湾までのフィリピン海プレートおよびユーラシアプレートが接する海底の溝状の区域を言います。
南海トラフ地震はプレート間地震とスプレー断層
南海トラフ地震はフィリピン海プレートとユーラシアプレートのプレート境界を震源域としているということはプレート間地震と言えます。
プレート間地震とは
海洋側のプレートの沈み込みに伴って陸側のプレートの端が引きずり込まれ、やがてそれが限界に達したときに陸側のプレートが跳ね上がる、という断層運動により発生する地震です。
単純なプレート間地震だけではない直近の南海トラフ地震
一番直近で起きた1946年12月21日の紀伊半島の潮岬(しおのみさき)南方沖の深さ24kmを震源域とするマグニチュード8の地震の昭和南海地震は、単純なプレート間地震でなくスプレー断層の滑りが複合した地震とされています。
スプレー断層は分岐断層とも呼ばれ、分岐とは枝分かれのことで、断層とは地層に力が加わってこわれ、このこわれた面にそって地層がずれている状態のことです。
地球深部探査船「ちきゅう」によって掘り出した巨大分岐断層をふくむコアを分析した結果、巨大分岐断層が東南海地震の原因とされています。
沈み込む海側のプレートに対して、陸側のプレートが引きずり込まれていきますが、陸側のプレートが引きずり込まれた際に、枝わかれするように分裂して、プレート間地震で陸側のプレートが跳ね上がる際に分岐断層が動くことにより津波の高さが高くなってしまいます。
南海トラフ地震の周期説
周期説とは
一つの地域に起きた大地震の間隔を計算すると、ばらつきはありますが数百年に1回や数十年に1回の割合で大地震が起きていることが分かります。一番最近に起きた大地震の年数に平均的な地震間隔年数を足した年に大地震が再来すると言うのが周期説です。
記録が残っている南海トラフ地震としては
- 684年に起きた白鳳地震
- 203年後の887年に起きた仁和地震
- 209年後の1096年に起きた永長東海地震
- 3年後の1099年に起きた康和南海地震
- 262年後の1361年に起きた正平東海地震・正平南海地震
- 137年後の1498年に起きた明応地震
- 107年後の1605年に起きた慶長地震
- 102年後の1707年に起きた宝永地震この49日後に富士山が大噴火
- 147年後の1854年に起きた安政東海地震・安政南海地震
- 90年後の1944年に起きた昭和東南海地震
- 2年後の1946年に昭和南海地震
が発生しています。
途中から地震の間隔が短くなっている
白鳳地震から正平南海/東海地震までは間隔は約200~270年くらいでしたが、その後の明応地震以降は約90年~140年くらいと間隔が短くなりました。
これらの過去の大地震の起きた間隔から、概ね100~150年間隔で繰り返し南海トラフ地震が起きると気象庁が表現している理由です。
東海地震だけ間隔が長い
ただ南海・東南海・東海と3つの海域の地震を南海トラフ地震としていますが、3つの海域のうち東海地震と南海地震の二つや、東南海地震と南海地震の二つが同じ年や数年後に過去には発生したりしていますが、直近の昭和の地震では東南海地震と南海地震は起きましたが、東海地震は起こっていません。
東海地震は1854年の安政東海地震が最後で、静岡県駿河湾沖ではおおよそ170年もの長期間地震が起きていません。
次の東南海・南海地震とほぼ同時に発生するのではないかとの見方が強まっている一方で、東海地震だけが単独で先に起きるかもしれないと言われています。
地震の前後に火山が噴火
過去の大地震を振り返ると火山活動との関係が切り離せれません。富士山などの噴火と大地震がほぼ同時期に発生しているからです。
例えば、869年の貞観地震の前の864年には富士山や阿蘇山が噴火していて、1498年の明応地震の前後では1471年に桜島、1511年に富士山が噴火し、1707年の宝永地震の後でもやはり富士山が噴火しています。
大きな地震の前後に火山が噴火しています。
2000年以降の火山の噴火
- 2000年 有珠山・三宅島
- 2011年 霧島山
- 2014年 御嶽山・西之島新島
- 2015年 口永良部島
- 2018年 草津白根山
- 2020年と2022年 小笠原諸島西之島
過去の記録の積み重ねから、近年の火山活動の活発化は、大地震と連動すると考えるのが自然です。
南海トラフ地震の前兆で西日本で内陸地震
2016年5月23日付の日本経済新聞で地震学者である尾池元京都大学学長は、
「南海トラフ地震は約100年間隔で繰り返し、発生の50年ほど前から西日本で内陸地震が増える傾向がある。前回の地震からの経過年数を考えれば、次の南海トラフ地震の可能性のピークは2030年代後半~2040年代とみられ、西日本は1995年の阪神大震災で地震の活動期に入った」と懸念を示しています。
内陸が震源地の地震として熊本地震や大阪北部などの大きな地震に加え、直近では能登半島や千葉県南部での地震も内陸で起きた地震で南海トラフ地震の前兆となる可能性があるということです。
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