住宅資金贈与の改正内容
政府・与党は子や孫への住宅資金の贈与にかかる贈与税を一部非課税にする措置を2年間延ばす方針です。
年末が期限でしたが2年延長という結論でした。
2年延長よりも残念なのは、非課税になる枠が最大1000万円に縮小されることです。
現状は省エネ性能の高い住宅には最大1500万円の非課税枠を設けていましたが、最大1000万円に縮小されます。
最大1000万円というのは、一定の耐震性能や省エネ、バリアフリー性能がある住宅については1000万円、それ以外は500万円となります。
しかし実は、2019年の消費税率の10%への引き上げに、合わせて最大3000万円まで拡大し、その後2020年4月に1500万円に縮小しました。
そして今回更に1000万円に縮小される結果になりました。
景気対策して欲しいのに贈与税非課税枠縮小するの?
岸田政権になって景気拡大路線より、財政再建の流れになってきています。
それは住宅に対する補助金に対しても強く感じ、コロナ対策で始まった昨年のグリーン住宅ポイント制度よりも、今年の「こどもみらい住宅支援事業」の方が予算を圧縮しています。
グリーン住宅ポイント制度は予算が1094億円なのに対して、今回の「こどもみらい住宅支援事業」は542億円の予算と、補助金の予算としては半分くらいに縮小されています。
また「こどもみらい住宅支援事業」は基本的に39歳以下や子育て世代に限定されたことで、補助金が使える人を制限しました。
しかし今回改正される住宅資金贈与は縮小するのはイマイチ理解に苦しみます。
平たく言うと、お金を持っているおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さんの預貯金を、子供に住宅資金として渡しても税金がかからないですよと言うのが住宅資金贈与の非課税です。今回その子供に渡せる金額を少なくすると言う政府の方針です。おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さんの預貯金は特に国の税金が減るわけでは割りません。おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さんの預貯金を景気回復のために子供に使ってもらっても特に政府は早退して困らないのではないかと思ってしまいます。若い人はずっとバブル以降景気が良かった時代を知らずに、所得もあがらず預貯金も少ないのは仕方がないです。親族の贈与が減るのは更に住宅を建てにくくなってしまいます。非課税枠の金額を減らすメリットよりもデメリットの方が多く感じてしまいます。
景気対策よりも財政再建に趣を置いているようにどうしても感じています。
卵ニワトリ問題みたいに、景気をよくして税収を上げるのか?財政を再建してから景気を拡大させるのか?どちらを優先するのかは難しいですが、世界的に所得が毎年上がっている国が多い中、物の値段が上がっていくインフレにこれから向かっていきます。世界のトレンドとは違い日本では所得が上がらないのに、物の価格が上がっていくフェイズに向かっていくのが残念なのに、今回の住宅資金贈与の非課税枠が少なくなるのは残念なニュースです。
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