新型コロナウイルスの影響で世界的な木材が高騰した「ウッドショック」はまだ続いていて、木材価格は下がらないまま、今度はロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアからの木材に影響が出ています。
今回はウクライナ情勢でによる住宅価格ついてご紹介します。
第二次ウッドショック懸念
ロシアは面積ベースで世界の約2割の森林を有する森林大国です。そんなロシアがウクライナとの戦争を仕掛け、世界がロシアに対する制裁を始めました。EUがベラルーシからの木材輸入を制限したことによって、欧州で木材需給が逼迫する恐れが出てきています。
欧州から日本への輸出量が減れば、2021年に発生したウッドショックと同じ状況になり、第2次ウッドショックの懸念が高まっています。
世界的なロシアの経済制裁に対して、ロシア側も輸出規制の動きあります。ウクライナ侵攻による経済制裁への対抗としてロシア政府は3月10日に通信機器や鉄道車両など200品目以上の輸出を2022年末まで禁止すると発表しています。さらに、日本を含む非友好国に対しては一部の木材や木材製品の輸出も停止するとしています。単板、チップ、丸太については2022年末まで入ってきません。林野庁の調べでは21年のロシア産チップ輸入量は全輸入の1%程度、単板は国内で流通する合板の原料は国産材が多く、ロシア産単板のシェアは約2%と少なく。国内で即座に悪影響が広がる状況ではなさそうです。ただし注目されるのは品目の拡大で、製材が入ってこないとなると影響は一気に大きくなります。ロシアの製材輸出量は2019年時点で世界1位です。仮に出荷が止まれば、世界規模の建築コスト上昇につながります。も製材が入ってこなくなると、日本ではロシア産の製材は天井の下地材として重宝されていて、輸入が止まれば、月当たり住宅1万7000棟分の天井の下地材に影響を及ぼすという試算もあります。
ウクライナ情勢はまだ住宅価格には反映されていない
まだそれほどウクライナ情勢による影響が全体的には木材価格にそれほど影響が出ていませんが、企業によっては大きく影響が出ている企業もあります。
比較的安い価格の建売住宅を手掛ける、いわゆる「ローコストパワービルダー」の中には、ロシア材を多く使用しています。ローコストパワービルダーも、木材の高騰分を自社で負担するには限界があり、今後も木材価格の上昇が続けば、住宅価格に転嫁せざるを得ない状況になってきています。
今後の予測
まだ本格的にウクライナ情勢が住宅価格にそれほど出ていません。
しかし木材以外でも、ロシアは鋼材の原料となる鉄鉱石、セメント製造に必要な石炭など、建設資材に関わる輸出物が多い国です。これから建築業界に大きな影響が出る可能性は高いと思われます。
昨年のウッドショックやアイアンショック、半導体不足に引き続き、今年も第二次ウッドショックや建築資材の価格高騰が起こる可能性もウクライナ情勢次第というところがあります。
主に影響が出るのはゴールデンウィーク明けで仕入れ価格が上昇しそうですので、住宅会社各社で値上げになる可能性が高いと見ています。
住宅価格が下がりそうな目処は中長期スパンでも難しそうですので、住宅を計画される方は早めに計画されることをお勧めします。特に住宅ローンで計画される方は、早めに住宅ローンを組んで金利上昇基調で早めに金利を確定させてり、老後にできるだけ住宅ローンが残らない年齢で借りられることをお勧めします。
コメント