住宅を建てる時に検討する際に最初に構造を何にするのかで、住宅会社選びが変わってくると思います。
住宅の構造は大きく分けて木造・鉄骨・コンクリートに分かれます。
私は大手木造ハウスメーカー、檜を使った木造工務店、木造ローコスト住宅の会社で働いたことがあり、鉄骨住宅は大手鉄骨ハウスメーカー2社でhたらいたことがあり、かつ自宅は鉄骨住宅です。
残念ながらコンクリート住宅は賃貸に何度か住んだことがあるだけで、建築した経験はありません。
住宅を建てる構造としてどんな構造を選んでも、それぞれの特性がありメリット・デメリットがあります。これが完全という構造があれば日本で建築される住宅はその工法だけということになりますが、現実はそうなっていません。
今回深掘りしてご紹介する鉄骨住宅にも当然メリット・デメリットがあります。
デメリット1 価格が高い
鉄骨住宅の最大のデメリットは建築費が木造より高いのが最大のデメリットです。
鉄骨自体の材料そのものや錆止めや、後でご紹介する断熱性のデメリットの鉄骨の断熱性の悪さから、そのデメリットを少なくするため鉄骨に熱が伝わりにくくするのに、外壁材が木造住宅の外壁より耐火性や断熱性が高い外壁にするために木造より建築費が高くなってしまいます。
また鉄骨住宅は地元の建築会社で建築している会社が少なく、ローコスト系の鉄骨住宅会社というのは存在せず、大手ハウスメーカーで選ぶことになることが多いのも建築費が高い理由です。
私の自宅は大手ハウスメーカーでない重量鉄骨の住宅ですが、私が一級建築士で知り合いの自分で設計して、知り合いの鉄工所や基礎屋さんや地盤改良工事業社に直接発注できたので大手ハウスメーカー以外の鉄骨住宅を建築できましたが、それでも大手木造ハウスメーカーと変わらないくらい建築費はかかりました。
私の場合は自分で設計して施工管理も自分でしたために費用はかかりませんでしたが、大手ハウスメーカー以外で鉄骨住宅を建てる場合は鉄骨住宅の建築には専門的な知識や技術のある施工業者や建築士を探す必要があり、設計や施工管理も木造に比べて費用がかかってしまいます。
また重量も木造に比べて重くなりがちで、地盤改良が必要になる可能性も高くなりその分費用もかかります。実際我が家では3m弱くらい掘って地盤改良工事をしました。そして固定資産税も木造に比べて高くなってしまうのもデメリットです。それは木造より耐用年数が長く長く建物として使えるので仕方のないことですが、3年ごとの固定資産税の見直しでも鉄骨住宅は少しずつしか安くなっていきません。
デメリット2 断熱性の悪さ
鉄骨住宅のデメリットの二つ目は先ほど少しご紹介した鉄骨の断熱性の問題です。
鉄は木に比べて熱を伝えやすい性質を持っています。熱伝導率という指標で比較すると、鉄の熱伝導率は約80~90w/m/k程度で、一方、木材の熱伝導率は約0.1~0.2w/m/k程度です。
つまり、鉄は木に比べて約400~900倍ほど熱を伝わります。
鉄骨自体が熱を伝えやすいために、外壁をコンクリート系の外壁にしたり、外断熱を採用します。
その分価格は高くなってしまいます。
逆の木造住宅にコンクルート系の外壁をはれば団体信用生命は上がりますが、木造の柱に思いコンクリート系の外壁を貼るのは構造に対して負担が大きすぎるのではないかと思います。
また鉄骨は外部からの熱や冷気が建物内に侵入しないように、適切な断熱材の施工や断熱性能の高い窓やドアの選定などが重要になってきます。
大手ハウスメーカーの鉄骨住宅ですと、工場で鉄骨に外壁材やサッシまで施工した状態で現地まで運ぶので性能が出やすくなっています。私の自宅は分離発注で鉄骨住宅を建てた為に施工管理は十分にしっかりしました。といっても自分で現場に張り付いて確認することができたので満足できたということになります。
メリット1 耐震性
鉄骨住宅の最大のメリットは耐震性です。住宅の性能で何を一番に求めるかで変わってきますが、木造住宅に比べて圧倒的に耐震性能は優れています。高気密高断熱でいうと木造住宅の方が処理をしやすいので、高気密高断熱が住宅に求める性能で一番ですと木造住宅をお勧めしますが、耐震性能を一番に考えるのであれば鉄骨住宅をお勧めします。
正直なところ木造住宅より、プレキャストコンクリートで建てた住宅の方が鉄骨住宅より耐震性や耐火性が高いと思いますが、私のような地方に住んでいるとプレキャストコンクリートで建築できる住宅会社は少なく鉄骨住宅より効果なために私は断念しました。とはいえ鉄骨住宅の耐震性は木造住宅に比べて圧倒的に優れています。木造住宅でも耐震等級3ですと問題ないですが、性能がフルに出ているのは建築直後で、木材の腐朽状況や繰り返しの地震による劣化はどうしても出てきてしまいます。鉄骨造も地震で揺れますが、地震の際のひっぱりや座屈に対して、木はどうしても損傷しやすく、ボルトを通している穴も鉄に比べて木の方が広がってしまいます。また構造自体の鉄骨がシロアリや結露に対するダメージが少ないのも特徴です。
メリット2 大空間
鉄骨住宅のメリットの二つ目は大空間が取れるところです。我が家は6mかける6mのガレージや部屋を四角形の角の4本の柱だけで作りましたが、木造ですとそもそも大きなスパンが難しく、柱が真ん中で必要になったり、耐力壁の壁が必要になったりします。部屋は4mスパンでなんとか間取りの工夫でできるにせよ、ガレージは自動車を2台横並びに並べて、邪魔な柱や壁をなくすには鉄骨住宅という選択になりました。開放感のある間取りの自由度は鉄骨の方が高く、木造ですと建物の角に耐力壁を作らないと耐震性が弱くなってしまいますが、鉄骨住宅は角に窓などの開口部を作ることができます。また我が家は1階より2階が大きく2階がオーバーハングしています。2階をオーバーハングさせるのも耐震性を考えると木造では負担が大きすぎます。鉄骨は柔軟な設計が可能なので、建物の形状や外観を自由にカスタマイズすることができるのも鉄骨住宅のメリットです。
工場で鉄骨に外壁材やサッシまで施工した状態で現地まで運ぶので性能が出やすくなっています。私の自宅は分離発注で鉄骨住宅を建てた為に施工管理は十分にしっかりしました。といっても自分で現場に張り付いて確認することができたので満足できたということになります。
コメント