住宅業界は「クレーム産業」ともいわれるほど、お客様が不満を持ちやすい業界です。
一般的にクレームは、商品やサービスに対して「お客様が期待している一定の水準を大きく下回ったとき」に発生します。
誠意を持って確実な仕事をすれば、トラブルの大半は防ぐことができますが、住宅業界はそれだけではどうしても防げないクレームもあります。
その理由は、専門である会社側と、素人であるお客様との考え方のギャップがあるからです。
当然ながら、多くのお客様には住宅の専門的知識がありません。注文住宅は打ち合わせが非常に多く、実践経験に裏付けられた豊富な専門的知識が必要です。
結果、住宅会社側にとっては条件の中でベストな提案や、完璧な施工だったとしても、お客様にとっては「こんなはずじゃなかった」というクレームが発生したり、お客様の言われた通りに提案や施工をしても、出来上がりがお客様のイメージと違うと、「オタクらプロなんで、こうなるんだったらキチンと反対して欲しかった」と言われてクレームになったりと、住宅業界は「クレーム産業」ともいわれる所以です。
また単縦な連絡ミスや施工不良や、営業サイドの問題でクレームになることもあります。
最前で仕事を進めてもクレームが起きる可能性があるのに、スタッフが最善のレベルまで行っていない住宅会社もあります。
そんな住宅会社で住宅を計画すると、夢を持って住宅を建築するお客様にとっては不幸です。
そこで今回は営業責任者として数多くクレーム対応した経験から、こんな特徴の住宅会社はやめた方が良いというお話と、私が過去一で苦戦したクレーム対応をご紹介します。
避けるべき住宅会社
私の人生で最大にクレームを経験したのは、なんといっても営業責任者で対応していた頃です。会社はイケイケで急成長するものの、現場のスタッフは壮絶な対応をしていました。
新しい都道府県に進出すると、地域に詳しい営業スタッフを募集したり、地域の職人さんを採用したりします。新しく進出した地域でスタッフを採用するとは言っても、本来は仕事を順調にこなしている人材は今働いている職場に不満をそれほど持っていないので、新しく住宅会社が進出して募集しても、順調に仕事をして働いているスタッフは来てくれません。
現在の職場に不満を持っている人や、技術的に問題があったり、態度が横柄だったり、採用した時は気が付かなかっても後で問題が発生するようなスタッフが募集で集まります。
そのような募集の中から採用してお店を運用していると、さまざまなクレームが発生してしまいます。知識や経験レベルや対応レベルはまちまちです。
一定の教育をしてもクレームは発生してしまいます。
スタッフの対応だったり、施工の問題だったりと、さまざまなクレームが次々と発生してしまいます。
新しく地域に出展した住宅会社や、業務拡大で従業員が急に増えた住宅会社はクレームになってしまう可能性が極めて高いので、私はお勧めしません。
誠意を持ってクレーム対応して、スタッフを次々と入れ替えていき、そのお店が安定するのに最低でも3年はかかります。
できれば5年は欲しいところです。
イメージ的に学生のやる気のないチームを、全国出場するチームに育てるのに、1年や2年でチームを育てることができないのと同じです。
少しづつ少しづつ評判を高め、その地域に根付き、応援してくれるお客様が育つのに5年くらいはかかります。
もし身内から住宅の相談を受けたら、安定して何年もそのエリアで営業していて、評判の良い住宅会社を紹介します。
新しく進出してきた会社や、急に業務拡大した住宅会社には充分気をつけてください。
過去一狗先生たクレーム
今まで私が最も手こずったクレーム対応は、サイコパスな営業の対応したお客様対応です。
とある地域の責任者として赴任することになった時に出会ったサイコパスな営業担当は、最初全く私は気がついていませんでした。
人当たりが柔らかで、話し方は落ち着いていて安心感がある営業でした。
しかしその営業は実は強烈なサイコパスな性格でした。
実は複数の性格がある営業でした。
私が普段接していたのは、サイコパスな営業の最善の営業の面の性格だけでした。
実は話していることに嘘がかなりあることに後々から気がつきました。
ありもしないことを平気で嘘をつくことができる性格のサイコパスでした。
かなり頭が良いので、問い詰めても一生懸命対応していましたが、一生懸命対応していることも全て嘘でした。
嘘をついている時の表情はまさに真摯に対応している表情で、嘘をついていることを私は見破ることはできていませんでした。その営業の説明する内容はほとんどが辻褄があう作り話しだったことがあります。
一例を挙げると、売買していない不動産をいかにも売っているようにお客様に説明して、知り合いの不動産業者に契約書を作ってもらい、架空の不動産契約をして、注文住宅も契約したこともありました。私は上司として、不動産契約書や融資証明を確認し、契約金も入金があり、打ち合わせ内容も確認して問題ないと思っていました。
しかしいよいよ本格的に建築を始める準備に入る直前に、建築予定地は売っていない物件だということが発覚しました。
土地の契約書はそのサイコパスな営業が偽造した書類でした。当然お客様から私は営業責任者として相当こっぴどく怒られました。
そのお客様はサイコパスな営業から私に担当変更して、私が新しい担当として対応していましたが、お客様が望むエリアで、お客様が望む価格で、お客様が望む条件の不動産は出るはずもなく相当苦戦して私は対応しました。
サイコパスな営業は頭が良いため、どこまでが嘘でどこまでが本当なのか見極めが難しく苦戦しました。
その同じサイコパスな営業の他のお客様で、お客様自体が架空の営業だったこともありました。
普通に店舗にお客様は打ち合わせに来られ、契約金の入金もあり、色極めなどきめ細かな打ち合わせをしましたが、地鎮祭の時に発覚したのは、入金していただき、契約して、詳細打ち合わせしていたそのお客様は実はサクラでした。
現金で計画されると聞いていて、通帳のコピーを用意してもらっていましたが、その通帳のコピーが偽造していたものでした。
ずっとサクラを演じていたお客様は、実際に建てるお客様ではないので、私が引き継いでクレーム対応することはなかったですが、その2件の問題を同時に起こしたサイコパスな営業は懲戒処分で解雇にしました。
本物のサイコパスは表情や話し方で見破ることは不可能です。
このようなサイコパスな営業は本当に滅多にいないと思いますが、お客様の立場でもしサイコパスな営業を見破るとしたら、その営業担当が担当した物件のご入居されたお客様を3件程度紹介してもらい、その営業の評判を聞いてみるのがベストだと思います。
サイコパスを見破るのは難しいですが、ご入居されたお客様までサイコパスであることはないと思いますんで、そのくらいしないとサイコパスを見破れないと思います。
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