新築住宅は打ち合わせが多く、お客様の立場で考えると決定事項が多いので困ったことが起こりがちです。
住まいカンパニーのデータから新築住宅の「家づくりで困ったこと」TOP10というリサーチ情報をご紹介します。
10位「関係者との打ち合わせが長すぎる」14.3%
確かに打ち合わせをして居るとあっという間に1時間は軽く超えることが多いです。そもそも人間が集中できる時間の限界があります。雑談を交えながら打ち合わせしても大事なことを決めていくのは90分が限界です。私の場合は2時間くらいの打ち合わせが一番多いです。
私が気をつけていることは、打ち合わせが楽しいと思っていただけるように、私の実体験をお話ししたり、今までお手伝いさせていただいた実例などをご紹介していますお客様の反応を確認しながら、打ち合わせが楽しいと思っていただけるエピソードトークを交えています。スポーツや趣味などを住宅の提案に盛り込むことができないかとか、日常生活の中のアルアルのエピソードで間取りや外観の提案に活かせることがないかをご紹介しています。打ち合わせも楽しいと、あっと言う間に2時間が経過しています。また私と打ち合わせをしたいなぁと余韻が残る程度で打ち合わせを終わらせれるのがベストだと思っています。エピソードトークを交えて、また打ち合わせをしたいなぁという余韻が残ると、次回の打ち合わせを早くしたいなぁと思っていただけ、その日の打ち合わせが長く感じないだけでなく、次回の打ち合わせも待ち遠しくなります。
打ち合わせは楽しいのが一番だと感じます。
9位「提供される情報が偏っているのでは?」14.8%
このような不安が残っている場合は、まだ担当者を信じていただけていない状態です。売り込もうとすると、自社のメリットだけを伝えがちになり、デメリットがないか不安になってしまいます。
何事にもメリットの反対にデメリットがあります。
メリットだけでなく、きちんとデメリットをお伝えすることが需要です。担当者がメリットしか言わない場合は、デメリットも聞いてみてください。また担当者が知識不足で偏った情報なのか不安になることもあります。そん場合はインターネットなどで、体験談やさまざまな意見を探してみてください。
私の場合はお客様が気になっているようなことを、YouTubeの動画にまとめたり、過去の動画をご紹介してご判断していただくこともあります。
8位「見積もりに不満がある」16.5%
このケースは最初にお客様が伝えた金額から、打ち合わせの度に金額が増えると見積もりに不満が出てきます。
住宅の営業は特に成績が悪い時は断られたくないので、金額をなかなか伝えない営業が多いです。間取りや詳細な打ち合わせをして、さんざん打ち合わせをした後に見積もりを出すと、お客様が営業に伝えた金額からかけ離れていると見積もりに不満が出ます。
私は今日2件の新規のお客様を接客しましたが、住宅の費用だけでなく、地盤改良などの可能性のある工事や引っ越し費用などまで、必要な費用は全てお伝えしました。お客様は思ったより住宅以外に必要な金額がかかることを驚かれていました。早かれ遅かれ必要な費用はどこかでお話しする必要があるのですが、私は初回に打ち合わせをする際に全て正直にお伝えしています。何回も打ち合わせをしてから金額を提示しても、結局お時間だけいただいてご迷惑をおかけすることになるので、早めにご判断いただけるように金額をお伝えしたいます。お互いの時間が無駄にならないです。
正直に住宅にかかる費用を全てお話しすると、意外と他の住宅会社では正直に費用をお話ししていないんだなぁと感じることがあります。
7位「内容を確認しないまま決定したことがあった」18.0%
住宅は様々な確認事項やデータなどがあります。正直全てをお話しすることは難しいこともあります。例えばコンクリート強度のような細かなことまではお伝えしていません。お客様がプロである時はお伝えしています。
しかし、お客様でもご理解いただけるような住宅の性能をわかりやすくお伝えしたり、YouTubeを使ってご紹介しています。
また、お客様の選択で性能や金額にかかわることは、メリット・デメリットをお伝えしてご選択いただけるように心がけています。
あとは使う材料や仕様をまとめた50枚程度のプレゼンシートをお渡しして、決めていただく前にご確認いただいています。
6位「施工会社の担当営業などに希望・要望がうまく伝わらなかった」18.3%
これはコミニケーション能力の問題と、打ち合わせ記録などを残しているかとの問題があります。特に担当営業や工事担当者のコミニケーション能力が低いと、うまく伝わらずお客様はストレスになります。
その中でも二次元的な図面だけではお客様はイメージを掴みにくいです。私の場合は3次元のパースなどを利用して、外観の全ての方向や、部屋ごとも室内パースをお見せしながら、窓やドアや収納や棚や設備や収まりの様子を確認いただいています。
あと単純に担当の人の性格で、お客様の希望をよく聞かず、一方的に担当者が良いと思うことを強引に進めてきたり、否定してきたりすることでストレスになることもあると思います。
私の場合でも、明らかにお客様の言われた通りに進めていくと、完成後にきちんとアドバイスして欲しかった。私は素人でわからないので、きちんと指摘して欲しかったと言われないように、メリット・デメリットをよくよくお伝えしながら確認しないと進めていかないと危ない場合もあります。
それでもお客様は少しおかしくてもそうしたい理由がある場合があるので、なぜそうしたいかをよくよくお聞きしてから、代替え案がないかを考えたり、少しでもデメリットを克服できないかを考えてみます。
違ったご提案でその手があったかみたいに喜んでいただける場合もありますし、そうすることが絶対条件でご指示の中でベストをご提案しています。
例えば昨年、狭承知の細長い敷地の南側に井戸があり、非値が良い間取りが難しいことがありました。
井戸を埋めることでのメリットのある提案もしましたが、井戸を残すのが絶対条件になり、井戸を回避しながら明るさを確保する提案で建築しました。
5位「関係者との打ち合わせが多すぎる」21.0%
新築住宅を計画すると色々な関係者が登場します。
「土地からの購入の場合は不動産業者」「住宅ローンを借りる場合銀行のローン担当」「住宅営業」「住宅設計」「インテリアコーディネーター」「住宅設備のショールームのアドバイザー」「現場監督」「地鎮祭をする場合は神主さん」「大工さん」「火災保険会社」「土地家屋調査士」「司法書士」「アフターサービス担当」と思いつくだけでもこのくらいの人達が登場します。
この中で一番長く打ち合わせをするのが住宅営業だと思います。住宅営業を中心にそれぞれの段階で打ち合わせをします。
私の場合は一級建築士とインテリアコーディネーターを取得していることもあり設計や見積もりや色決めのお手伝いをさせていただいています。また、宅地建物取引士ですので不動産からのお手伝いの時はお客様にベストな土地かどうか問題点がないかを宅地建物取引士一級建築士の両面の立場でチエックしています。1人で複数の仕事を兼ねていますがどうしても打ち合わせは多くなってしまいます。
関係者との打ち合わせが多すぎて困っていることに対してできるだけご負担が少なくなる工夫が必要だなぁと改めて感じました。
4位「検討する会社でなくなった時断るのが苦痛だった」21.3%
何度も何度も打ち合わせを重ねると人間関係ができてしまい断りづらくなってしまいます。
逆に住宅営業の立場からすると「単純接触効果」というのを利用して頻繁に連絡や打ち合わせなどを行うことで断られにくくするというテクニックがあります。
私も住宅営業職ですが私の場合は結局最後断られるのであればお互いの時間の無駄になってしまうのでできるだけ早い段階で「私ができること」「私の会社でできること」「私の会社の住宅の価格」「お客様が必要な住宅以外の価格」をお示ししてご検討いただけるかご判断を頂けるように資料をご提示しています。
早かれ遅かれ断られるのであれば、早く断られたほうがお客様も断りやすいと思います。
特になかなか見積もりを出さずに長々と打ち合わせを引っ張る住宅営業が多いと思いますがさいさい打ち合わせを重ねるほど断りにくくなりますし、断られる立場からしても早く断られるほうが気持ちの切り替えが早く仕事や家庭が充実します。
住宅営業アルアルですがあまり売れていない営業ほど断られると見込みのお客様がなくなってしまうので打ち合わせを重ねて見積もりをなかなか出さない営業が多いと思います。
3位「取り扱う情報量が多すぎる」23.8%
確かに住宅は土地のこと住宅性能のこと、間取りのこと、デザインのこと、保証のこと、金額のこと、ローンのことなど、様々な情報をある程度理解する必要があり大変です。
大抵の方が住宅を建てるのは初めてだし、インターネットで調べてもどの情報が正しいのか判断が難しいです。マニアックな数値までは理解される必要はないと思いますが、簡潔にわかりやすくご判断いただけるようにしないと、ご負担になってらっしゃることを改めて感じました。
最近私が始めた取り組みとして、1分で解説できるYouTube Shortsは、短時間でポイントを理解しやすいのではと思うので、いつものこのようなレギュラーのYouTube動画以外に1分で解説できるYouTube ShotsやインスタグラムのリールやTikTokを活用したいと思っています。
2位「何から始めたらいいのか分からなかった」23.8%
確かに家づくりを漠然と考えるときに何から検討すべきか分からないと思います。
お勧めで最初に検討するのはいきなり住宅会社に相談するのではなく「いつの時期に住宅を建てるのか」を検討することから始めるのが最初です。
お子様の成長や、老後の住まいをどうするのか、住宅ローンをどのくらいの年齢までに終わらせるのがベストなのか、転勤などの引っ越しの可能性がないのか、転勤だとしても子供の教育を考えてどこの段階で単身赴任するのがベストなのか、などを検討します。
それぞれ様々な事情があると思いますが、今お住まいの地域から引っ越しされる可能性が少ないのであれば、早めに計画されるほうが将来が楽なケースが多いです。
実際、私も昨年住宅ローンの返済が終わってずいぶん気持ちが楽になりました。現在、香川県に住んでいますが正直、住宅ローンの支払いの間も、単身赴任で愛知県に住んでいたりしていた期間もありましたが、住宅ローンが終わってしまうと、早めに計画して良かったと実感しています。
時期が決まれば次は「総予算」です。住宅以外に土地や関連工事や諸費用を含めて総予算がいくらくらいになりそうなのかを検討します。
この総予算については、住宅を初めて計画する人にとってはわかりにくいですが、最初はざっくりでも推測します。
住宅ローンを利用される場合は、月々の支払いがいくらがベストなのかを検討します。「住宅ローンシミュレーション」と検索してみてください。インターネットを使って月々の支払いと借入金額を入力すれば借入できる金額が推測できます。その借入できる金額と自己資金を足した金額が総予算になります。
総予算の目安がわかってから、土地を含めた住宅でおおよそ「予算に合いそうな住宅会社を探し」をします。
住宅の性能や、デザインや、コンセプトなども、最近はインターネットでたくさん調べることができると思います。ただデザインや、使う材料に関しては、たいてい同じようなデザインは、どこの会社でも可能な場合が多いので、予算を中心に探すことをお勧めします。
予算に合いそうな住宅会社に相談してからは、担当してくれる人が一番重要なので担当してくれる人が適切なのかを判断します。
これが最重要ポイントで担当してくれる人で、間取りやデザインや、きめ細かな配慮などで、住まいづくりの良し悪しが決定してしまいます。住まいづくりは担当者との出会いが最重要です。
ただここで気をつけるポイントとして、住宅営業は契約が最重要の興味なので、契約までは丁寧で、契約後は対応が悪くなってしまう、途中で態度が変わてしまう営業も多いので注意が必要です。
過去の動画でご紹介しましたが、住宅営業職は年収が高いので、契約が決まってしまえば次のお客様に興味が出てしまいます。
たいていそこから不満が出てきて打ち合わせの漏れや思った通りにならずに満足が下がります。
新建ハウジングの調査結果でも、約6割の方はなんらか不満を持たれています。楽しい住まいづくりが残念な結果にならないように、担当者を見極めるのは最重要です。
一番いいのは家づくりで成功した人に担当者を紹介してもらうのが最善だと思います。
1位「検討・決定することが多すぎる」37.3%
実に3割の方が検討・決定することが多すぎることで困られています。特に注文住宅は完成していないものを販売しているので検討・決定することが多くなってしまいます。
このことに関しては、いかにプロの担当者に出会うかだと思います。
私も400棟以上担当しましたが、過去の成功事例や、時代のトレンドや、お客様の家族構成や、立地条件の中で、最善な提案や、住宅全体の色彩のコーディネートなど、住宅のプロとして様々な判断をしていきます。
担当者の判断が的確だと、お客様の負担は少なくなります。検討・決定することが多くて、負担を減らすのも、いかに良い担当者と巡り合うかだと思います。
住宅は未完成ですので人間力は最重要だと思います。
また、お勧めの間取りでよく建築する場合が多いので、似通った間取りの事例が建築されていないのか担当者に確認されるのも有効です。私もご年齢やニーズが近い場合は似通ったご提案をさせていただくことが多いです。似通った住宅をご自身で見てみることで検討・決定する負担が少なくなると思います。
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